日帰りで硝子体手術に対応、大学病院と同じ治療レベル
眼球の大部分を占めるゼリー状の組織を「硝子体」と言います。主に眼球の形状を維持する役割と、水晶体を介して入ってきた光を屈折させる役割を担っています。 この硝子体での混濁、炎症や出血、網膜への牽引(による網膜剥離)などが見られる場合に必要になるのが、硝子体手術です。 眼科手術の中でも非常に高度なものではありますが、当院では硝子体手術機器「Fortas」を使い、日帰りで、かつ安全を十分に確保した環境下で硝子体手術の第一人者である関西医大総合センター教授西村哲哉医師が担当しております。。
手術方法
局所麻酔の上、眼球に小さな穴を3つ(症例によっては4つ)をあけ、照明器具、硝子体カッターなどを挿入し、混濁や出血を起こした硝子体、あるいは膜様組織を切除・吸引し、さらに疾患に応じてレーザーやガス置換などの必要な処置を行います。なおこの間、1つの穴から灌流液を注入しながら、眼圧を維持します。その後、網膜剥離や黄斑円孔の場合は、灌流液を炭酸ガスに置き換えます。硝子体手術を行うことで視力改善が期待できる疾患
網膜剥離、黄斑円孔、黄斑上膜(黄斑前膜)、硝子体出血、硝子体混濁、網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症、増殖硝子体網膜症、網膜下出血などが主な適応となります。硝子体手術の流れ
1目の下の部分から、局所麻酔をかけます。このため、術中にはほとんど痛みはありません。
2眼球の白目の部分に、小さな穴を3つあけます。それぞれの穴から、硝子体カッター、照明器具、灌流液を注入するための針を挿し込みます。
3混濁や出血を起こした硝子体、膜様組織を切除吸引します。加えて、網膜上の膜をめくる、増殖膜を切除する、網膜にレーザーを照射するといった処置を、疾患に応じて選択します。
4網膜剥離や黄斑円孔の場合は、灌流液を炭酸ガスに置き換え、手術は終了です。
☆白内障がある場合は同日手術を行います。又、白内障がほぼなくても60歳以上の場合は、硝子体手術後、数ヶ月で白内障が進行する為、同日手術を行っています。1度の手術で治療ができる上に手術費用が2回に分けて受けるより安価になります。
硝子体手術後の注意事項
- 手術後に期待できる視力改善の程度は、疾患、患者様の眼の状態によって異なります。事前にできる限り詳しくご説明させていただきます。
- 硝子体に空気やガスを注入した場合には、術後にうつ伏せの姿勢を維持する必要があります。この期間については、患者様ごとに説明させていただきます。
- 術後1週間は、飲酒、喫煙を控えてください。
- 術後1週間は、入浴、洗顔、メイクができません。(首から下のシャワーは、術後2日目から可能です)
- 術後1週間程度、保護用眼鏡を装用していただきます。
硝子体手術のリスク
- 出血
- 網膜剥離
- 角膜障害
- 緑内障
- 感染症
硝子体手術Q&A
手術に痛みはありますか?
局所麻酔をしますので、痛みなく手術を終えられます。麻酔は追加が可能です。もし痛みを感じたら追加しますのでご安心ください。
いつから見えるようになりますか?
網膜除去や糖尿病の場合は、個人差がありますが数週間から数カ月かけて、少しずつ視力が改善します。硝子体出血や混濁に対する手術の場合は、比較的、早く数日~数週間で回復します。全ての方が手術直後、翌日から効果が実感できるものでありませんので、その点はご注意ください。
誰でも日帰りで硝子体手術を受けられますか?
全身疾患がある場合や通院が困難な場合は入院して受けることができる施設へ紹介します。手術が可能かどうか、事前に主治医の先生と相談します。ご来院の際は、お薬手帳をお持ちください。