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2024年5月
最新鋭機器を設置
新しくフェムトセカンドレーザー(1000兆分の1秒)と最新のエキシマレーザー
エヌジエニティ(ヘッドアップサージェリー)を導入しました。
フェムトセカンドレーザーを使用した最新の白内障手術とは
通常の白内障手術では、角膜の創口作成、前嚢(水晶体嚢の前面)の切開、水晶体核の分割は医師の手で行っています。院長の藤本をはじめ当院で手術を担当するのは熟練した術者ですが、中には、困難なケースがあります。
今回当院が導入したのが、レーシック手術で用いられている「フェムトセカンドレーザー」を使用した白内障手術(FLACS)です。
フェムトセカンドレーザーを使用して前嚢切開や核の分割で行うことで、チン 氏帯 ( したい )が弱い場合でもより安全、より正確に眼内レンズの固定が実現できます。
水晶体核を細かく分割することで、超音波の時間が減り患者様の眼への負担も軽減されます。
乱視を減らすための角膜切開もコンピュータ制御された正確な処置が可能であり、合併症のリスクも最小限に抑えられます。
近年は多焦点眼内レンズ、乱視矯正眼内レンズの普及が進んでおり、当院では40%以上で用いています。これらプレミアム眼内レンズの機能の最大化を図るために、コンピュータ制御されたレーザーによる白内障手術は更に、精度が高い手術になります。
従来の白内障手術
従来の白内障手術は、保険が適用されるという経済的に大きなメリットがあるものの、以下のような課題を抱えていました。
- すべての手技を医師が手で行うため、超音波の時間が増えるので切開位置や方向、大きさに差が出やすい。
- 核硬度の高い患者様では、内皮障害や創口浮腫が起こりやすい。
最新のレーザー白内障手術システム
フェムトセカンドレーザーを使用した白内障手術は、保険適用外となりますが、従来の白内障手術の課題をクリアした、新しい選択肢です。
- 術中デジタルイメージガイドの活用、前眼部OCTを用いて理想的な設定で前嚢切開、核分割を行うことができる。これにより、安全性・正確性が高まる。
- 理想的な位置に眼内レンズを固定できることが可能で、術後の屈折のズレを最小限に抑えられる。
- 多焦点眼内レンズや、乱視矯正眼内レンズなどプレミアムレンズの機能の最大化を図ることができる。
レーザー白内障手術のメリット
フェムトセカンドレーザーを使用した白内障手術の最大のメリットは、「術後の見え方が更に改善しやすい」という非常にシンプルなものです。
そしてこのメリットは、以下の要素に支えられています。
- コンピュータ制御された手術による正確性・安全性の向上
- 屈折(遠視・近視・乱視)のコントロールに優れている
- 多焦点眼内レンズや乱視矯正レンズと相性が良い
- 眼の負担を最小限に抑えられる
レーザー白内障手術の適応
まず、適応となるのは、多焦点眼内レンズを選択した方です。チン小帯(水晶体を支える組織)が弱い、水晶体の核が硬いといった難症例にも大変効果的です。
フェムトセカンドレーザーを使用した白内障手術をご希望の方は、単焦点眼内レンズでも対応可能ですので、お気軽にご相談ください。
※瞳孔径が小さい患者様にはレーザーが照射できない為、適応がありません。
手術の流れ
手術計画の立案
患者様ごとに眼球の大きさ・水晶体の厚み、角膜の厚さ、角膜乱視軸等などを調べ、患者様に合った手術計画を手術前に入力しておきます。
角膜切開(レーザー使用可)
レーザー又は、メスで角膜を2.4mm又は、2.6mmに切開します。
前嚢切開(レーザー使用)
水晶体嚢の前面部分を指す「前嚢」中央に、レーザーで直径5.6mmの正円の切開を加えます。
水晶体核の分割(レーザー使用)
水晶体の中心にある硬い「核」を、レーザーで6~8分割します。
水晶体核吸引(超音波装置使用)
分割されて細かくなった水晶体核を超音波で吸引します。
眼内レンズの挿入
インジェクターを用いて、眼内レンズを挿入します。
合併症について
手術中
破嚢(はのう)
設定を正確に行うことでまず起こりませんが、水晶体嚢(水晶体の入っていた袋)が破れることを指します。
極めて稀な合併症ですが、大きな破嚢が起こった場合には、予定していた眼内レンズを挿入できないことがあり、当日又は近日、レンズの縫着術や硝子体手術を併用します。
レーザー白内障手術の費用
単焦点眼内レンズ+手術費用 | 300,000円 |
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単焦点乱視矯正レンズ+手術費用 | 330,000円 |
選定療養多焦点眼内レンズ+手術費用 | レンズ代+300,000円 |
自費多焦点眼内レンズ+手術費用 | レンズ代+150,000円 |
よくある質問
数カ月前にレーザー白内障手術を受けましたが、最近かすみ目のような症状があります。
「後発白内障」かと思われます。レーザー白内障だけでなく通常の白内障でもおこります。白内障を受けた方の約20%~40%に見られます。後発白内障は、外来のヤグレーザー治療で日帰りで治療でき、日常生活ができます。
後発白内障が再発するということはまずありませんので、ご安心ください。
ただ、何らかの他の眼科疾患を発症している可能性も否定できません。お早めに受診されるよう、おすすめします。
従来の白内障手術と比べて、レーザー白内障手術にはどのようなメリットがありますか?
フェムトセカンドレーザーは、1000兆分の1秒単位での照射による精密な手術を実現します。これまで医師の手で行っていた手技を、更に精密性をもってスピーディにこなします。安全性・正確性のいずれにおいても、非常に優れた治療です。
デメリットは、健康保険が適用されないため、手術費用が患者様の全額自費負担となります。
レーザー白内障手術はどれくらい時間がかかりますか?
手術時間は従来の通り外来で受けられる、短時間の日帰り手術です。
フェムトレーザーが約5分、超音波白内障手術が約5分程度で10分~15分になります。