眼精疲労とは
眼の疲れは通常、休憩を挟んだり、一晩ゆっくりと眠れば解消されます。これはいわゆる“疲れ目”です。 ところが、十分に休息をとったにもかかわらず、眼の疲れが解消されないことがあり、これを「眼精疲労」といいます。 慢性的な眼の疲れに加え、視界のかすみ、眩しさへの過敏、充血、眼の痛みなどの症状を伴います。さらに、首の痛み、肩こり、めまい、吐き気などの全身症状をきたすこともあり、QOLへの影響も少なくありません。 何週間も続く眼の疲れを感じたときには、お早目に当院にご相談ください。
眼精疲労の原因は?
主な原因は、眼の酷使です。特に、パソコンを長時間使用する方はリスクが高くなります。近い距離に長い時間ピントを合わせ続けるため、眼の負担も大きくなります。テレビ、読書、スマホも、同じ理由で眼精疲労の原因になります。 また、度数の合わない眼鏡・コンタクトレンズを使用している方、本来必要な眼鏡・コンタクトレンズを使用していない方、ドライアイの方も、ピントを合わせるたびに眼に負担が生じるため、眼精疲労を起こしやすくなります。
眼の屈折力は、大人になっても年齢と共に変化します。乱視が増えたり、老眼が進んだり、知らず知らずメガネの度数が変わっているのに、無理して使っていたりしませんか?
眼精疲労は目だけでなく
体にも症状が現れる!?
- 眼の疲れが抜けない
- 視界がかすむ
- やけに眩しく感じる
- 目の充血、痛み
- 首の痛み、肩こり
- めまい、吐き気
- 睡眠障害
上記のように、眼だけでなく、体にも症状が現れることがあります。
仕事や学業のパフォーマンスにも影響しますので、症状に気づいたときにはお早目にご相談ください。
眼精疲労の治療
眼精疲労の治療には、以下のようなものがあります。 ドライアイを原因としている場合には、その治療を行います。
点眼治療&温あんぽう
ピントを合わせる筋肉をリラックスさせる点眼薬、疲労の蓄積を予防する点眼薬などを使用します。眼球を適度に温めることで血流がよくなります。
生活習慣指導
眼の酷使の原因を、解消・改善します。仕事上パソコン作業が避けられない場合にも、30分おきの休憩や簡単な目や体のストレッチなどを挟むようにしましょう。ダラダラとスマホを見てしまう時間を少なくすることも大切です。電車の中では、ずっとスマホを見ないで休ませることも大切です。
正しい度数の眼鏡・コンタクトを作る
眼が疲れているときに視力検査をした、長く視力検査をせずに同じ度数の眼鏡・コンタクトを作った場合など、現在の正確な視力と度数が合っていない可能性があります。
眼科で正しく検査を受け、必要であれば眼鏡・コンタクトの作り直しを行います。老眼は、40歳前半から始まります。コンタクトやメガネの度数を変えることで楽になります。
眼精疲労を「疲れているから」と侮るべからず
眼精疲労は、疲れ目とは異なり、休養をとっても不快感がなかなか解消されません。 そのうち治るだろうと放置せず、眼科で正しい検査を受け、正しい治療を受ければ、比較的短期間で症状は軽減します。 眼の疲れや視界のかすみなどの症状が何週間も続く場合には、ぜひお早目にご相談ください。
眼精疲労の5つの対策
パソコン作業の環境を改善する
モニターの位置が低かったり、見えにくかったりすると、首を前に出して作業するようになり近い距離を見続けることになります。机、モニター、椅子の位置や高さを適切なものとし、正しい姿勢でパソコン作業を行いましょう。
文字が小さく見えない場合には、文字の大きさやモニターの明るさを調整するのも有効です。もちろん、パソコン作業の時間を少なくできれば、それに越したことはありません。
スマホの使用方法を改める
パソコンと比べ、スマホはついつい何となく眺めてしまいがちです。パソコンを使用する場合より近い距離を見つめるため、ピントを合わせる筋肉はより緊張した状態になります。
動画を楽しむときはできるだけテレビモニターなどを利用する、スマホゲームの時間を短くする、布団の中ではスマホを使わないなど、手軽で便利なものであるからこそ、少し自分を律して対策することが必要です。
ホットアイマスクの使用
ホットアイマスクで、眼のまわりの筋肉をリラックスさせる方法です。ホットアイマスクは、使い捨てのもの、レンジで温めて何度も使えるものなどが市販されています。
また近年では、遠赤外線で温める家電タイプのものも登場しています。
ためしてガッテンで紹介された「あずきの力」を受付で購入できます。
適度な休憩・体操
パソコン作業、スマホ操作が長時間にわたる場合にも、30分に1度は休憩・体操を挟みましょう。体操といっても、首や肩を回し、筋肉を揉みほぐす程度の簡単なストレッチでも効果があります。
休憩だからといって、スマホを触らないよう注意しましょう。
スマホ用眼鏡の使用
スマホを使用するような手元にピントを合わせるとき、そのピント調整をアシストする「スマホ用眼鏡」というものが市販されています。
どうしてもスマホの使用時間が長くなってしまうという方におすすめです。